2006年06月18日

『五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し』

 一言でいうと、かわいい本。


 さすがは「ミステリラブコメ」を名乗るだけのことはある。
 ほんとにかわいい。
 そりゃあもう、恥ずかしいほどに!


 シリーズ一作目が未読なため、登場人物の性格や関係をつかむのに少し手間どったが、基本的にどのキャラクターも、つかみやすい性格設定になっているので、問題なく読めた。


 タイトル通り、アリバイ崩し型ミステリ
 ……なんだが、何故かあまりそういう印象がない。
 というか、作中でおこった犯罪自体、重大な事件であるという感覚を持てなかった。

 これは恐らく、主人公達が事件に関わる必然性が乏しいからではないだろうか。
 「探偵だから」という理由にしても、本人がそういっているだけで、別段、犯罪や正義に対する感情があるわけでもない
 (一作目で書かれてたらごめんなさい…でもこの一冊からは感じられなかった)。
 そのせいで、犯罪の動機や犯人のバックグラウンドに対する、主人公の興味も薄くなり、事件自体が薄っぺらなもののように思えてしまうのだ。

 同じような「探偵だから」型物語に、『名探偵コナン』などがあり、これも本格ミステリ好きからは酷評されている。
 しかしこちらは、主人公に「正義を愛する心」とか「犯罪を憎む気持ち」を持たせ、台詞や行動で表現することで、ヒーローものとしての成功を得ている。

 と、書いてきたが、本作は決して駄作ではない。
 上で挙げた欠点(?)も狙ってやってるみたいだし、小中学生向けのライトなミステリ入門書としては標準以上の出来だ。
 ラブコメとしても、主人公は適度にモテモテで、親が警視で事件の情報は筒抜け、彼氏とのことも周りが冷やかしてくれて、「そんなんじゃないってばぁ」とかなんとかいっちゃう、という、願望充足型ラブコメ。
 もしかしてローティーン向けとしては完璧なのかも……。

五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し『五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し』霧舎巧
posted by つぶらやあきら at 15:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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